家を建てる
太陽光発電編

太陽光発電

90年代から、屋根の上に太陽光発電を載せる家は相当な新しい物好きだったろう。太陽光発電パネルの発電効率が低く、高価であり、買い取り(売電)制度もなかった。補助金は出ていたが、焼け石に水だったのではないか。21世紀に入って、発電効率は上がったが、概算では、元を取るのに30年近くかかるようだった。

それが大きく変わったのは、2011年の地震の後、原子力発電が全部停止してしまったから。電気代が上がり、化石燃料を燃やしたのではCO2も増える。原発に代わる決め手は、再生可能エネルギーということになった。欧州やインドでは、すでに相当に再生可能エネルギーの導入が進んでいるが、我が国は遅れていた。原発への依存が強かったのだろう。電力会社も、家庭で分散エネルギーを作られたのでは、商売に差し障るので、機嫌が悪かった。原発が止まったおかげで、日本でも遅ればせながら、FIT (feed-in tariff) 制が始まった。FITとは、電力会社が、分散エネルギーを固定価格で買い取る制度である。その買い取り価格は、孫正義が吠えたおかげで 1kWh当たり45円という高額になった。45円なら、10年以下で元が取れるし、その後は濡れ手に粟でもうかる。それが今の太陽光発電ラッシュにつながっている。このビジネスの特徴は、最初の資本は大金が必要だが、その後の運用コストがほとんどかからないことだ。物を作って売る商売では、新しい製品を作らないと競争に負けるし、その製品の顧客を捜さなければならないし、製品を作るコストを下げる努力も必要だが、太陽光は、設備を作った後は、電力会社が10-20年間は買い取りを保証するので、営業コストも製造コストも研究開発コストもかからないのだ。つくばでも、休耕田などが一挙に太陽光発電プラントに変身した。ちょっと計算してみたところ、土地当たりの発電による収益は(初期コストを除き)、農業による収益の20倍くらいになる。

   ドイツ、フランクフルト近郊
林立する風車。
まず、平野が広いね。障害物が少ないから、風が強いのだろうか?
   同上、バスの窓越しに撮影したので影が映ってます。
風力発電は、非常に多い。
飛行機の上からもたくさん見えた。

太陽光発電は、お天気任せだし、夜は発電出来ない。風力発電は夜も発電するが、風任せは同じ。家庭や工場で消費する電力も変動するが、たくさんの消費家の平均をとればかなり安定する。そこに不安定な再生可能エネルギーを注入すると、基幹系全体が不安定化するので、電力会社は、20%以上の導入は困難だと言っていた。しかし、FITが始まると、我先にと業者が太陽光発電の売電契約を申請しだして、九州電力では、全電力が再生可能電力になる勢いになった。それで、九電は、新しい契約を延期あるいは中止すると発表した。他の電力会社もそれに追随した。FITの買い取り価格は、年々低下しだした。一方で、需要が増えたので、太陽光パネルの価格は下がった。2017年、売電契約がなかなか成立しない状況になっている。

こんなことをだらだら書くより、こちらの統計を見て頂くと一目瞭然だろう。10枚ほどのスライドを順番に見てもらうと良い。 http://www.isep.or.jp/wp/wp-content/uploads/2017/05/REdata20170506.pdf まず、世界では、自然エネルギーと言えば風力が有力だが、日本の風力はドイツの20分の1、中国の50分の1しかない。一方、日本の太陽光発電はかなり多く、世界2位になろうとしている。諸国の中では、緯度が低く、日照量が多いのかも知れない。2016年に4200万kW、 2020年に 6570万kW、2030年に1億kWというのは、ほとんど全部の発電量に近い。しかし、1億kWというのは全部に見えるが、全然全部じゃないというのが、太陽光発電のミソである。まず、今でも4200万kWといえば、40%近い発電能なのだが、年間の発電量に占める太陽光は4.4%しかない。太陽光発電パネルが100%能力を発揮すれば、4200万kWになるが、日照は100%ではないし、夜はゼロだから、平均すると4.4%になってしまうのだ。だいたい、最大発電能力の10%くらいが実効的な能力と言うことになる。水力7.6%などすべての自然エネルギーを足すと15%になる。月別には、5月が一番多い。一番少ない1月の2倍以上になる。7-8月は、装置が高温になりすぎて効率が低下する。2016年5月4日には、自然エネルギーが最大になり、日本の全電力需要の46%が自然エネルギーでまかなわれた。火力発電などを絞ったのだが間に合わず?中間の太陽光発電が余って揚水発電のくみ上げに回された。しかし、それでも、太陽光は、日中しか働かない。県別では、地熱のある大分や秋田県が自然エネルギー供給率が高く,30%を越える。茨城は18番目。もっと小さな地域(市町村)で見ると、100%を越える市町村が110もあると。2016年末には、9500万kW分の設備認定がされている。太陽光が89%。家屋の屋根に載せる物より、専門の業者による設置が多い。設備認定だけ取って、運転していない物が58%もある。しかし、これらが全部動き出すと、昼間の電力需要のほとんどすべてをまかなえるのかもしれない。電力会社は、夜しか発電しない、送電会社になってしまうだろう。茨城は、導入量が一番多い、太陽光発電大県である。

というわけで、太陽光発電は、最大発電量に迫るくらいの導入が予定されているが、晴れた日の昼間だけ、東京など大需要地帯では導入困難などの理由で、発電量全体に占める割合は、なかなか20%などにはならない。将来は、昼間の電力は安く、夜間電力が高くなると言う逆転現象が起こるかも知れない。

見積もりを取る

業者は、押し売りに来るほど、いろいろあるようです。どこにするかわからないでいたところ、妻が、生協で斡旋しているというので、説明に来てもらうことにしました。日本エコシステムという会社です。営業の人が来ました。

NEDOを知っているかと聞くと、よくご存じのようでした。

設置工事

5月に工事されるはずが、7月21日に伸びたのは、設置認定が下りなかったからである。電力会社は、太陽光発電を受け入れたくないという気持ちの表れか? 6月にやっと申請が受理される状況になり、工事の日取りが決まった。しかし、それでも発電はできない。

発電する

5.5kWのパネルというのは、最大の発電量が、5.5kWということで、太陽の直射を受けられなかったり、雲がかかったりすれば、それより下がる。それでも、ときどき、5.5kWを記録する。屋根の傾きから考えて、太陽光の直射を受けていないのだが、5.5kWに達する。晴れた日の発電量は、30kWhくらいで、調子がよいと40kWhを越える。日ごとの消費電力、売電、買電、発電量を1年分のグラフにしたのが以下である。盛り上がっている橙色は、消費電力で、冬期に床暖で深夜電力が増えているため。青い線が発電量。3-7月が多く、秋は少ない。主に天候のためと思われる。

  2017年8月から2018年8月までの日ごとの発電量等。 
  2017年8月から2018年8月までの日ごとの発電量等。
上のグラフの1週間ずつの移動平均。
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1年間の発電の総量は、8600kWhほどになり、20万円以上になる。元気で発電し続けてくれれば、8-9年で償却できる計算になろうか。