自転車用のGPSと心拍計 Garmin Edge-800


2011-12-10

サイクルコンピュータ

2011年の夏に、パナチタンを新調し、2001年のFCR-1は息子に譲ったので、保有する自転車は、4台になりました。それぞれにスピードメータが付いています。たいていは、cateye製ですが、FELTには、シマノフライトデッキを付けています。サイクルコンピュータと言ったって、計算らしいことは、ギア比からcadence(ペダルの回転数)を求めることくらいで、要するに時計と回転数計です。一方、自動車用のナビは、GPSを使って自車位置を表示し、地図の上で目的地への経路を探索し、分岐点でどちらに曲がれと音声で指示をし、ものによっては、音声のコマンドを受け付けます。それに比べると自転車用は、あまりに非力です。

そんなに自転車で、日本全国行くわけではないが、ちょっと知らないところに行くと、必ず道に迷う。紙の地図を持って行くこともあるが、それでも迷う。紙の地図では、たまにしか開けない。自転車ってのは、自動車と違って、幹線道路を避けてなるべく細い道を行きたいので、しじゅう見ていないと、どうしても見落とす。それに、細い道も掲載された、かなり強力な地図が必要である。

サンヨーのゴリラ

私の自動車には、1997年にカーナビを付けました。CDROMに地図を入れるもので、12万円もしました。それなりに重宝しましたが、10年以上使うとCDの読み込みエラーが出るようになり、液晶も映りが悪くなり、反応も鈍いので、サンヨーのゴリラLB50に買い換えました。カーナビとしての性能は、すばらしく、ワンセグも映る。MP3やJPEG表示機能もついています。3.5万円くらいでした。

LB50は、電池付きなので、持ち運べます。つまり、サイクリングにも使えると言うことです。実際、数回使ったのですが、どうも使い勝手が悪い。ハンドルへのマウントがないので、またマウントがあったとしても、ナビ本体が大きすぎるので(そう思って小さいタイプを買ったのですが)、ハンドルに取り付けて使うことができません。バックパックに入れるか、背中のポケットに入れますが、出し入れが面倒きわまりない。そして、電池の持ちが悪い。仕様では、3-4時間と書いてありますが、2時間くらいがせいぜいです。それで、単3のエネループ4個で外部から5Vを供給する電池パックを自作しましたが、かさばるし、重くなるし充電が面倒だ。ゴリラは、やはり、自動車用です。

MIOやPDA、またスマフォ

そういえば、2004年頃、MIOという、GPS付きのPDAに入れて使う自転車用のナビのもありました。サイクルショーで見て、興味を持って使ってみたことがありますが、これも、電池がすぐに消耗して、使い物になりませんでした。当時から、Garminはありましたが、さらに簡便な感じで、だめだなーと思った記憶があります。

GPSは、今やありふれた機能になり、携帯電話やデジカメにも付いています。iPhoneのようなスマートフォンでパーソナルナビゲーションをするのは、当たり前になりつつあります。スマフォのようにInternet connectivitiyがあれば、Google mapやGoogle earthが使えるので、地図の問題を比較的簡単に解決できます。海外に行ったとき、Internetの地図でガイドしてもらったのには大変助けられました。ただし、山の中ではInternetにつなげられませんし、長時間の接続料を取られるのも困ります。ずっとつないでいたら、電池は持つのでしょうか?また、スマフォをバイクにマウントすることができるのでしょうか?

ここまでの経験では、電池の持ち時間、バイクへのマウント、地図の内蔵などが重要な要素だとわかります。

GarminのGPSサイコン

Garminのアウトドアスポーツ向けGPSナビが進化しているのは、雑誌の記事などにも出ています。ケイデンスの他に、心拍も計れるようになって、ポラールに追いつき、ペダルからパワーも測定できるようになった。Webに経路やグラフを集積する機能もある。大きさも、まるで日本製のように小さいのは自転車を意識して作っている。高価だと思っていたが、wiggleで見るとそんなでもない。円高だからさらにお得になっている。最近は、舶来品だから高価かというと、逆で、国産の方が高いのだ(残念!)

でも、舶来品であれば、日本の地図はあるのか、日本の地図に出てくる日本語は使えるのかという心配がある。Garminの自転車用GPSでは、今なら、Edge200, Edge500, Edge800などが選択肢のようだ。今回、地図を表示してナビしてくれるのが主な目的なので、Edge800がよかろうと思うが、日本の正規価格は、79,800円!!! 下手な自転車より高いのはどうしたものか。Wiggleで探すと、4万円程度で、なんとか手が届く。短い人生、道に迷ってサイクリングしてもつまらないと思い、ポチッと。

Wiggleではなく、Yahoo shoppingのz-popに注文したが、これがよかったかどうか、よくわからない。まず、日本語化してあると書いてある。日本語化は、けっこう骨の折れる作業で、OSのバージョンによっては失敗するらしいので、買った状態で日本語化されているのはありがたい。その上、それなりの日本地図が入っていると書いてある。地図は、1万円以上、2万円近くするのが相場らしい。ハートレイトセンサと、Cadenceセンサもついて41,800円というのはreasonableに思われた。

届いたもの

   
 梱包されてきたパーツ一式。ただし、ハンドルマウントとcadenceセンサは、自転車に付けたので見えない。  台湾製の証、中国語の個体識別票。

注文して、次の日に届いたのには驚いた。

センサーの取り付け

ハートレイトセンサとケイデンス/スピードセンサが同梱されている。ペダルに取り付けるパワーセンサが別売りであるが、これは購入していない。ハートレイトセンサは、胸に巻くが、ポラールのものより軽くて柔らかく、邪魔にならないしずり落ちにくい。圧迫感も少ない。ベルトは汗を吸うので洗ってもいつか取り替えなければならないかもしれません。

ケイデンス/スピードセンサは、一体になっていて、チェインステイに取り付ける。後輪と、ペダルにマグネットを取り付ける。無線式なので、ワイヤは不要。センサ位置の調整用にLEDが付いていて、ペダルマグネットに感応すると、緑、後輪のマグネットに感応すると赤く光る。電池の消耗を防ぐため、1分ほどすると点滅しなくなる。

本体は、専用のマウントでハンドルに取り付ける。ゴムバンド2本で結わえ付けるのだが、意外と堅固に装着できて、悪路で揺れても傾ぐようなことはない。ただ、ゴムバンドは、経年劣化が心配である。マウントは、2つ付属し、ゴムバンドは、6本付属する。マウント一つにゴムバンドは2本使うので、2本は予備に残しておける。

ハートレイトセンサもゴムバンドのようなもので、胸に巻き付ける。多少の圧迫感はあるが、10分もすれば付けているのを忘れる。いや、どちらかというと、付けるのを忘れてこぎ出して、だいぶ行ってから心拍表示が出ていないことに気がつく。激しく呼吸すると、ずり落ちるかもしれないと思ったりするが、息を吸い込む分には、圧迫が強まるので大丈夫、むしろ、息を吐ききるとずり落ちるかもしれない。

使い方

付属してくるマニュアルは、中国語である。読めないが、行動電話とはmobile phoneのことか、熱愛活動とは好きなスポーツのことかなどけっこうおもしろい。日本語のマニュアルは、ここからダウンロードせよというEmailが来た。しかし、不出来なマニュアルで、結局Garminのサポートサイトから英語マニュアルをダウンロードした。

Garmin Edge800は、走行時の表示モードと、menuをタップして入る設定モード,、それから電源ボタンを押して入るバイク選択・ロック解除モードがある。電源を入れてすぐは、GPS衛星の受信状況を表示するモードも現れる。

menuの右下のレンチのアイコンが、設定モードへの入り口である。その設定表示の一部を示す。メニュ選択は、一つの例外を除いて、画面に表示される項目を指でタップして行う。手袋をしていてもOK。指を触れないでいると、電池節約のため数秒から30秒くらいで(設定可能)、バックライトが消えて暗くなる。

       
 電源ボタンを押すと現れる画面。最上部が、センサーの接続状態、次が選択している自転車の名前(今はLUPOを選択中)、画面の明るさ調整、×は、メニュの終了、Lockというのは、画面に触れても動作しなくする、誤動作防止。  左の画面で、自転車の名前をタッチすると、自転車選択モードになる。3種類の自転車をセットできる。
自転車の情報は、メニュから、BikeSettings, Bike Profileで指定。各々は、タイヤの周長、オドメータ、重量、センサのあるなしなどを設定する。
 メニュ画面。GPS受信状態、バッテリ状態、の下に4つ並んでいるのは、ナビさせるときの目的地指定、トレーニングを選ぶ、履歴を表示させる、コースを選ぶ。右下のスパナマークが、設定メニュ。  
       
 設定メニュを選ぶと、自転車、システム、ユーザプロファイル、体重計、edgeについて。 Bike Settingsからこのメニューになる。Training pagesが重要かつおもしろい。  Training Pagesで現れる5項目。走行中に表示する項目を選ぶ。走行中には、5種類のタイマーページの他に、地図、Virtual Partner、標高、方向のページを表示できる。
Virtual Partner以下の三つは、その表示を出すか出さないかだけの指定。
あんまりたくさんのページをonにすると、走行中に見たいページに行くのが面倒になるので注意。
 ところが、Timer Pagesは、かなり複雑。3つのページの他に、さらにコースタイマ、ワークアウトタイマを表示できるが、これらは、同じコースを周回するような練習用なので、オフにする。
       
 3つのタイマページのどれかを選ぶと、そのページのいくつの項目を表示させるか指定する。ここでは、7つの例を示すが、最大10個まで表示できる。さすがに10個も出すと、表示が小さくなる。  7つの選択だと、最上部のスピードだけがかなり大きく表示されて見やすい。しかし、最上部は、スピードでなく、数十ある表示項目の何でも好きなものを表示させられる。他の欄も同様。そういう組み合わせを3ページ分選べる。  左の表示位置のどこかをタップすると、その欄に何を表示するかを選択するモードになる。その表示項目は、cadence, calories, course, distance, elevation, general, heart rate, navigation, power, speed, timer, workoutsに分類されている。各々のカテゴリに数個から10数個の項目がある。  たとえば、generalを選ぶと、これらの項目が出る。まだまだある。

設定でおもしろいのは、表示項目を選べることだろう。安いサイクルコンピュータでも、小さな液晶に、スピードの他に、距離や時間が同時表示され、ボタンを押すと、ケイデンスや時刻、高度などに切り替わる。Garmin Edge800は、1画面に最大10個の情報が表示されるだけでなく、そのような画面を3つ持てる。また、10個では表示が小さくなりすぎるのなら、もっと情報を減らして、見やすくすることも出来る。

10×3画面で30種類の情報というのは、cadence, calories, course, distance, elevation, general, heart rate, navigation, power, speed, timer, workouts という12のカテゴリに分類され、各々に瞬時、平均、最高などがあるから、全部で数十の中から選ぶことになる。3画面は、数秒おきに自動で表示を切り替えることもできるが(auto scroll)、うるさいので変えないことにしている。違う情報を見たいときは、画面に触れて、画面遷移メニュ(矢印)を出し、矢印で別のページに行く。3画面は、次のように設定している。

   1-平地用 2-山岳用  3-統計用 
 表示数  7  8 10 
 1  速度  時間  GPS強度
 2  走行時間  速度  電池状態
 3  走行距離  傾斜  距離
 4  cadence  標高  積算距離
 5  平均速度  垂直速度  時間
 6  心拍  心拍  経過時間
 7  傾斜  cadence  平均cacence
 8    気温  総獲得行動
 9      最高速度
 10     消費カロリー

このほかに、地図画面が出る。地図画面にも、スピードや距離など、2つの情報を選択して表示できる。さらに、標高の経時変化を表すグラフや、向かっている方向(heading)を表すコンパス画面も表示できるが、ふだんは切っている。

電源スイッチを入れて、起動してするまで、1分くらいかかる。SDカードから地図を読み込む時間のように思われるが、ちょっと長い。同時に、GPSの受信が行われて、最初に現れるのは、GPS衛星の捕捉状況画面である。GPSの感度や更新間隔は、非常に良いと感じる。

電池寿命

カタログには、電池寿命は15時間と出ている。1100mAhの容量というのは、このサイズにしては驚異的である。電池の消耗状態は、パーセント表示が出る。今のところ、朝出かけて、昼過ぎに帰る、5-6時間のサイクリングで、ちょうど半分くらいに減る。15時間は無理だと思うが、10時間くらいは使えそうだ。これなら安心! これだけ電池寿命が有れば、レストランなどの休憩時間でも電源を切る必要はない。それでも、盗まれないようにハンドルからは、いちいち付け外しが必要である。

サイクリングが終わったら、リセットボタンを長押しして、記録をクローズする。それからUSBにつなぐと、記録にアクセスできるほか、電池の充電が始まる。充電中は、電池のパーセント表示が出て、だんだん充電が進むのがわかる。

地図とナビゲーション

地図とナビゲーションに期待して買ったようなものだが、これはちょっと期待はずれ。カーナビのようなわけにはいかない。その理由は、画面が小さいことと、音声案内が出ないことなのだが、そもそも、自転車を運転しながら、ナビをチラ見するというのが難しい。自動車のようなわけにはいかないのだ。自動車だって、ナビに気を取られていては危険だが、自転車だと、でこぼこや砂が浮いていないかと道路表面の状況に気を遣うことがずっと多いのだなと気がついた。それから、私のサイクリングでは、というか、サイクリングというものはほとんどの場合、街の中は避けて、人通りや車の往来の少ない、田舎道、農道を通る。ところが、ナビというのは、どうしても広い道に引き寄せられるようだ。

そもそも、付属してくる地図は、かなり細かい道路まで出てはいるが、ナビゲーションはできない。それで、地図を買ったのだが、日本語が出るのかどうかが問題である。ガーミンに日本道路詳細地図、正規版というのがあるが、18,500円もする。UUDが販売する地図を使う人が多いようだが、19,000円とやはり高価な上に、ローマ字表示なのだ。いろいろ探して、TKA planetが出している日本語地図を購入。これは、日本語で表示される上に12,800円と比較的安い。地図の精度(細かい道路)は十分だと思うが、地図の中身は5年以上前らしく、おそろしく古い。私の家の回りの道路は、全く入力されていない。施設の情報も少ない。古い農道を走る、私の使い方には十分だが、普通の人はやめた方がいいと思う。古い地図では話になりませぬ。「趣味に妥協は不要です」(TKAのwebから)

地図を表示して、目的地を入力すると、経路がピンク色で表示され、曲がり角では方向が矢印で示される。しかし、農道を走るときは、この表示は無視することが多い。地図上での自分の位置と、そこからの目的地への方向がわかれば、あとはテキトーに走れば良い。Garmin購入以前は、この、自分の位置と、目的地の方向がわからなくて困ったのだ。それさえわかれば、右に曲がれ、左に曲がれてと指示してもらう必要はない。Edge800があれば、どこへでも安心して行ける気がする。知らない土地に行くと、どうしても広い道を走りたくなるが、edgeがあれば、農道ばかり探して走れそうだ。

PCインタフェース

PCとの接続は、もちろんUSBだが、μSDメモリカードで情報を交換することも出来る。Training Centerというソフトをダウンロードすると、PC上で、走った経路やcadence、標高、速度、心拍などのグラフを表示できる。しかしそれよりも、インターネットのGarmin Connectの方が楽しい。自分の記録をuploadして、公開できる。他の人が走った記録も見られる。まあ、個人情報で、自宅のありかがわかってしまうのだが、いいじゃないか。

防水性

防水性など気にもしていなかったのだが、取説を見て気がついた。水深1メートルに30分耐えると書いてある。自転車で池に突っ込むことはないと思うが、水たまりに落としたり、雨の中を走るくらいなら大丈夫と言うことだ。これは心強い。

結論


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