自転車通勤の楽しみ

2002.10初稿,
2003.2、2004.8、2005.3 、2012.1

Penguin!! 松井俊浩

最初のきっかけは海外生活

中学、高校は往復12キロくらいをブリジストンの5段変速サイクリング車で通っていました。 徒歩に比べれば、活動範囲を格段に広げてくれました。 オーバルギアはなかなか効果的だと思いましたが、消えてしまいましたね。 変速機は、4段か5段くらいのものでした。 その後、大学ではオートバイに熱中し、 家庭を持つと自動車に頼る生活になってしまいました。 運動不足を補うべく一月数十キロのランニングを続けていましたが、 自転車に乗ることを考えたことはほとんどありませんでした。 その理由の一つは、大事な友人が大学の時に自転車事故で亡くなったからかもしれません。 自転車部に入れ込んで、いい自転車を買って、 遠乗りにでかけてトラックの輪禍に巻き込まれました。

この10年くらいに、4回、米国とオーストラリアで合計2年近く生活するチャンスがありました。 どちらも、日本のように歩いて行ける距離で買い物をしたり、仕事をしたりは難しい国です。 やはり自動車に頼るのですが、自分の通勤や買い物だけでなく、 家族が増えると送り迎えでとても面倒。 余談ですが、カリフォルニアでは、自動車依存が当たり前になっていて、 事故や違反で免許をsuspend(免許停止)されることになっても、 職場に通う、子供を学校に送り迎えする、などの目的であれば自動車を運転してかまいません。 遊びに使えなくなるだけです。 それから、アメリカでは、子供は多くの場合、親に送り迎えしてもらい、 子供が徒歩で学校に通うことはまれです。 いろんな人がいて?銃を持つ人がいて?危ないと思っている、 子供をcareしていることを見せることは良い親の大事な建前と信じている、 のだろうと想像します。 最初、子供を学校まで1キロくらい歩かせたのですが、ほとんど一人でした。 そのうち一緒に歩いてくれる友達ができたのですが、中国人でした。 現地では、若い人だけでなく、けっこうな大人も自転車を利用しています。 それもかなりまじめなかっこうで乗りこなしています。 自転車屋さんも充実しています。

キャンベラでは、近くの山(Ainsley, Majuraなど)に出かけていって カンガルーを見たりする楽しみがありました。 そのときにマウンテンバイクがとても便利なのがわかりました。 実際、山に行くと、ハイキングだけでなく、マウンテンバイカーがかなりいます。

帰国してから、1999年11月にGIANTのクロスバイクを購入。 マウンテンバイクを買おうと思ったのですが、 山と言っても一番近い筑波山まで10キロはあるので、 使い道は少ないだろうと思ったこと、 クロスならマウンテンぽい使い方もできるかな、 と思ったからです(実際は無理でしょう)。 通勤路は片道5キロ足らずの遊歩道ですが、タイルや石畳など、 アスファルト路ほど滑らかではないので、クロスバイクで正解でした。 ママチャリとの一番の違いは、乗車姿勢だと思います。 たまにママチャリに乗りますが、足に力が入らないので、 腰を浮かせて自転車を振り回すことになります。

ヘルメットについて

アメリカで最初に自転車に乗ろうとすると、ヘルメットが義務だよ、 と言われました。そう言われてみれば、老弱男女、 バイカーはすべてヘルメットをかぶっています。 25ドルくらいのヘルメットを買い求めました。 オートバイでもヘルメットをかぶっていたので違和感はありません。 いや、それでも、原付に乗っていた頃に法律が変わり、原付もヘルメット着用、 と言われてかぶらされたのにはムッときました。気分悪いぞ、と。 だけど、慣れると、ヘルメットなしでは怖くて乗れなくなりました。 自転車でも同じことです。

クロスバイクを買うときにヘルメットも買いました。 CatEyeの製品ですが、高かったですね。 製品の質はわかりませんが、 アメリカでは25ドルくらいだったのが8000円くらいしました。

2001年の秋に花火大会に自転車ででかけ、帰り道で他の自転車に引っかけられて 転倒しました。 前につんのめってころんだので、顔面を強打し、 目の周りが充血してひどい顔になりましたが、 ヘルメットが頭を守ってくれました。
子供も自転車に乗りますが、一人は格好を気にしてか、 どんなに言ってもヘルメットをかぶりません。もう一人、下の子は雨の日に自転車で転倒し、 頭を打って泣きました。 整体の先生に、危なく死ぬところだったと言われ、 以後ヘルメットをかぶるようになりました。

オーストラリアでもヘルメットは義務のようです。 日本でも導入すべきでしょうね。

2003年に入って、職場にいるアメリカ人とバイクのヘルメットの話になりました。 かっこ悪くていやだって。coolじゃない、ってとこでしょうか。 大学では、undergraduate は被っているけど大学院生はかぶってないとか、変なことを言っていました。でも 授業の合間に教室に向かうのに自転車は必需品で、それで飛ばすから結構事故がある。 平均して一人あたり4年間に3.7回事故るとか。多いねぇ。

通勤はどうなるか

最初は、足がぱんぱんになりました。 一月ほどするとどうってことなくなりました。 キャットアイのスピードメータをつけて記録に挑戦しますが、 通勤路には子供がいたり、ネクタイがじゃまになったりして、 平均速度20キロがせいぜいです。 それでも危ないかもしれない。 それにしても、自転車通勤はすばらしい。 気持ちいい。渋滞でいらいらしなくてよい。 駐車場に頭を悩ませたり不法駐車に怒ったりする必要がない。 通勤所要時間も実はほとんど変わっていません。 自家用車にはさっぱり乗らなくなったので、バッテリ上がりが気になるこのごろです。 自動車のガソリン消費量が半分くらいになりました。 とすると、かなりな量の CO2 削減に貢献しているかもしれません。 リッターあたり8キロメートル、年間走行1600キロメートルで200リットルの節約。 1リッターが900グラムでそのうちの700グラムが炭素とすると、200l×0.7kg/l×44/12で、500kg くらいのCO2削減になります。人間がいくらか余分のCO2を吐いていますが。困るのは、夕方降り出す雨でしょうか。


片道、10-15分くらいのものです。渋滞に巻き込まれることもある自動車通勤より速いかもしれません。 ちょっと汗ばみますが、着替えるほどのこともありません。夏は、帰るとすぐにシャワーでリフレッシュ。


新車を買うぞ (Giant FCR-1 2002年)

クロスバイクに2年乗って、車のガス代でもとがとれたので、新車を買うことにしました。 いろいろ考えた末、GIANTのメッセンジャーバイクにしました。 BianchiのPrestoなどにも相当心惹かれました。 今持っているのがクロスで、もっと楽に遠くに行けるようにと、ロードっぽいものを選びました。 。

右比べてみると、 FCR-1は、CS-3200より15cmくらい長さが短いです。ハンドルバーも低いので、小柄な感じです。


乗ってみると、軽い、堅い、速いのですが、 一番の違いは、乗車姿勢。 期待通り、前傾姿勢が深く力が入りやすい。 ただ、眼鏡をかけて乗ると、最近の眼鏡はレンズが小さいせいもあって、視界が悪くなります。 力が入りやすい姿勢にするために、ハンドル高さは変えられないので、 もっぱらサドルの高さと前後を変えて調整しますが、自由度が足らないですね。 ハンドル高さ、角度(rise)を変えられないのは不満足。 その上、Giantのバイクは、フレームのサイズの選択肢が少ない。 FCR-1の場合、440mmと500mmしかありません。 他社なら20mmきざみで5種類くらいあるのではないでしょうか。 Giantは、フレームが万能の形をしているので、幅広い体型にフィットすると 言っていますが、サドルの高さと前後動だけでは、 ハンドルの高さが変えられないので、窮屈になります。 Giantのバイクは相対的に安いと思いますが、 サイズの種類を減らしているので、体にあうかどうかは、事前にチェックした方がよいと思います。 あと、フレームの溶接跡もはなばなしく、安っぽい感じがします。

もう一つ、乗ってみてわかるのは、車重が軽いので、ぐんぐん加速すること。タイヤ幅が、 35mm対25mmと細くなっている上に、スリックになっているのが利いているのだろうと想像します。 摩擦も減ったみたい。乗っていて聞こえる音もタイヤと路面の摩擦音以外ほとんどありません。 CS3200は、古くなったせいもあると思いますが、ギアとチェンがこすれる音も多少聞こえます。 ブレーキの効き方も力の調整がしやすい。

変速機は、CS3200のアセラAceraに対して、FCR-1は、チャグラTiagraです。 変速の軽さ、速さ、確実さは、Tiagraが上回ります。 しかし、変速ノブの形状やインディケータは、Aceraの方がなじみやすいです 特に、シフトアップノブは、常に人差し指に触れているところにあるので、力が入りにくいです。 オートバイは、ブレーキに指をかけておく乗り方をすることがありますが、 それは、ハンドルを押さえたり引きつけたりする力作業を全くしないから。 自転車は、ハンドルをぐいぐい引っ張りますから、人差し指を中途半端なポジションにおいておくのは つらいものがあります。シフト段数は、cs3200の8x3から9x2になっています。 後ろが9段に増えてもレンジは狭まっており、クロスシフトなので最適なギアが選べるのでしょう。 よく使うのは、フロントはアウターで3,4,5段あたり。 8,9段目があるというのは余裕を感じますが、日常走行では、あまり役にたちません。それから、低いギアは、ちょっと登りが続く山道では高すぎます。 一番低いギアは、25ですが、27だとありがたい。

バーエンドバー(フラットハンドルバーの両端のとって)のおかげで楽なポジションがとれます。人が、すべての力を抜いたときのポーズ、すなわちいっさいの筋肉の緊張がないときの姿というのは、やや前屈みで、手は目の前のすいかを抱えるようなハの時になります。決して一文字ハンドルを握る形にはなりません。たぶん、ママチャリのハンドルが一番自然で、バーエンドはそれに次ぐ自然さでしょう。問題は、バーエンドを握った状態ではギアシフトもブレーキ操作もできないこと。それから、小指だけをバーの外側に出すようにポーズをとりたくなるのですが、ハンドルの外側に指を出しておくと転倒時にその指だけ致命的な傷を負いかねないこと(オートバイ乗りには戒められた握り方)。

FCR-1は堅い。それに比べるとCS-3200のサドルはショック吸収スプリングもついていて柔らかい。つくばの遊歩道は、石畳があったり、タイル張りだったりして、かなりごつごつしています。サドルだけ交換してみました。

ペダルは、MTB用のSPDペダルにしました。専用の靴を買っいました。やっぱ力が入るし、動かないので楽ちん。信号の多いところでは困るでしょうね。急には止まれない。一度歩行者用信号で転倒しました。

フレームの色は、白というか銀色。ほとんどアピールがありません。CS3200は、鈍い紺色。カタログで見たときは、もうちょっとましかと思いましたが、実物はがっかりでした。CS3200は、雨でしばらく水に浸かっていたりすると塗装の色が変色してまだらになります。驚きの安っぽさです。乾くと元に戻るというのがまた不思議ですが。FCR-1の塗装がどういう挙動を示すかわかりませんが、とにかく何にもおもしろくない色です。ビアンキのceleste色(黄緑)はいいですね。町中で自転車に乗って一番困ることは盗難ですが、やっぱり、めだたない自転車が盗まれるのではないでしょうか。何百と停めてある駐輪場で自分の自転車を見つけるにも、目立つカラーが欲しいところです。同じことは、サドルにも言えますね。(赤いサドルを買いました)

ベル。どうでもいいですが、付属のはどれもこれも最低。自分で買ってきて取り付けました。あまり使わないで、声を出すようにしています。

3年、4年、5年目

1999年11月 GIANT CS3200購入。通勤に活躍。
2001年10月 花火大会の帰りに事故に遭う
2002年1月 GIANT FCR-1購入。通勤がさらに高速化。
2003年
2004年5月 東京エンデューロに出場。
2004年8月 筑波山の峠上りを始める。FELT F-50を購入
2004年12月 東京エンデューロ冬大会にFCR-1で参加。
2005年5月 FCR-1が盗難に遭う、Bianchi Passo購入
2010年8月 Bianchi Lupoを購入、通勤用Cr-Mo
2011年8月  Panasonic チタンロード購入
   

表のように走ってきました。2005年で5年くらいになります。いろいろ変わりました。やっぱり身体が丈夫になったのが一番だと思います。あんまり風邪をひかなくなったし、階段を上るのも平気。何でもおいしく食べられるようになった(昔からそうだけど?)。おなかがへっこんだ。お尻が充実した(筋肉だけになった)。足が太くなったけど、筋肉なので太さを感じない。体重は若干減ったものの大差なし。ただし、脂肪から筋肉に材質が変わっています。

数キロの距離は近すぎ、10キロくらいが適当、それ以上でも自転車で行ける、というふうに距離に対する感覚が変わってきました。その後、センチュリーライド160キロも達成しました。「そんな遠いところまで自転車で行くのですか?」と言われたりしますが、楽しいですよ。

天気には敏感になりました。気温も、10度というのがどういう温度か、肌身でわかるようになりました。風の強さも同様です。朝や夕方の日の長さも。概して、気候や自然に敏感になりました。